日本医療法務学会 創立総会が開催されました。  

2022年7月23日 13:30~神奈川産業振興センター(横浜市)にて、創立総会・第1回学術総会が開催されました。

抄本が必要な会員様は、事務局までご連絡をお願い致します。


【講演内容】

(基調講演)

【会長講演(岸部)】
なぜ今「医療法務」か?当学会の役割

【会員発表(座長:岸部)】
テーマ:現場からの課題提起
法務の不備により医療現場に発生した不利益

(サマリー)
「医療を取り巻く法律諸問題と、それの処理方法の現状、また医療機関の管理者であり医療提供主体(またはその代表者)である「医師」にとっての法律のとっつきにくさ、日本の医療提供体制が民間の「家業」中心である、といった構造的課題がある中、「法務」は経営や税務から独立して、専門職が扱うことが必要である。この会では、法務を独立した分野として確立し、ひいては政策提言等も含めて医療提供の安定に寄与したい。」


(医療法人分科会)

テーマ:行政手続きの法律と行政指導
【分科会長講演(藤沼)】
【会員発表(座長:藤沼)】

(サマリー)
「医療法人を中心として、医療法の行政手続きでは同じ医療法に基づく手続きであっても、都道府県ごと、政令指定市ごと、保健所ごとに各種様式や法令の解釈・運用にばらつきが存在し、これが国民や事業者の負担になっている。 国の規制改革推進会議でも法令や審査基準の根拠が不明確なローカルルールは、地方公共団体の行政区域を超える事業活動を行う企業等にとって負担になるだけでなく、各種制度や行政に対する不公平感や不信感を助長することにもつながりかねないとも指摘されており、事業活動の広域化や行政手続のデジタル化の進展も踏まえ、手続様式の標準化、法令解釈や法令の趣旨を踏まえた運用の適正化・精緻化といった必要な措置を講じていくための、国や地方自治体への提言も含めて、医療法人分科会では医療法人にかかわる行政手続きの現状を調査・研究していきたい。」


(医事分科会)

テーマ:レセプト業務と医事課の在り方
~ICT 時代の到来による医事課組織改革~
【分科会長講演(河合)】

(サマリー)
「ICT推進、職員の採用難が言われている現在において、医事担当者の業務内容やあり方を検討していく必要がある。 平成23年にレセプト請求オンライン化が義務化され、提出業務は軽減された。そのレセプトデータを活かして業務改革を行い、レセプトデータを経営に活かす取り組みを始めた医療機関が果たしてどれくらいあっただろうか?単なる提出方法の変更という捉え方をした医療機関が圧倒的に多かったのではないだろうか。2022年診療報酬改定の内容からも、ICT活用を推進していく必要性が感じられる。ICT推進に当たっては、患者情報など非常にセンシティブな情報を扱う為、情報管理規定等を遵守しながら、待ったなしで医事課組織の改革を進めていく必要がある。医事分科会では、医事部門の業務と法制度、コンプライアンス等について研究を進め、今後の医事職員や業務の在り方について提言を行っていく。」


(医療DX分科会)

テーマ:オンライン診療の課題と法務
【分科会長講演(濱崎)】
【会員発表(座長:濱崎)】
テーマ:オンライン診療に関する現場の対応

(サマリー)
「高齢化や医師の働き方改革、感染症対策などの観点から、医療業界においても活用が求められている医療DXであるが、 様々な縦割り構造や取扱事業者の乱立などによって業界全体として一体的に機能しにくい状態にある。 今日においても医療業界にICTが十分に普及しているとはいえない中、複雑怪奇な医療関連法規とICTとを有機的に 結びつけ、医療の現場へICTを普及させるべく、通知や関連法規の正しい理解の助けとなるような情報を会員に提供し、 医療DX支援事例を積み上げを行っていきたい。」


(総会風景)

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